2021年05月07日

【参本会議】浜口参議院議員が「地球温暖化対策推進法案」について質問

 浜口誠参議院議員(全国比例区)は7日、参議院本会議において、地球温暖化対策推進法案について質問しました。質問内容は以下の通り。

地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案について

令和3年5月7日
国民民主党・新緑風会 浜口誠

国民民主党・新緑風会の浜口誠です。会派を代表し、地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案について、質問します。

2050年カーボンニュートラルに賛同した国は、昨年12月時点で、日本を含む121カ国、1地域となっています。脱炭素社会では、世界の政治・経済のパワーバランスが一変する可能性がある、第2次世界大戦後の経済、社会の再建に匹敵するほどの大きく、急速な変化が起きるとも言われています。2050年カーボンニュートラルを実現した時、日本のものづくり産業等が、国内生産の競争力を確保し、雇用を生みだし、国民生活も安心、安定している社会にしていくことが絶対条件だと考えます。2050年の日本の社会、経済の目指す姿について、小泉大臣、梶山大臣の所見を伺います。

4月22日の気候変動サミットで、政府は、2030年度の温暖化ガスを2013年度比で46%削減する新たな目標を示しました。2019年度の日本のCO2排出量は、約11億トンであり、エネルギー転換部門39%、産業部門25%、運輸部門18%、家庭・業務部門11%となっています。2019年度までに6年かけて14%減らしていますが、今後、どのようにして46%削減を実現するのか。小泉大臣、各部門の削減目標や具体的な施策を含め、46%削減の積算根拠を具体的にお示し下さい。

2050年カーボンニュートラルは、極めてチャレンジングな課題であり、今の技術の延長線では到底達成できません。一方、企業もリスクを丸抱えして、技術革新に取り組むことは困難です。だからこそ、国が、脱炭素化につながる技術革新を国家戦略に位置づけて、長期にわたり支援していくことが必要です。米国は、クリーンエネルギー関連に4年間で約200兆円、EUは、気候変動対策として10年間で官民合計約120兆円の投資を打ち出しています。日本のグリーンイノベーション基金は、10年間で2兆円、2桁違います。2兆円規模で、脱炭素社会に向けた世界との熾烈な国家間競争を勝ち抜くことが出来るのか。今後の数年間が、正に勝負所です。政府は、国家戦略として、技術革新に欧米を凌駕する投資をすべきと考えますが、梶山大臣に見解を伺います。

2019年12月欧州委員会が発表した「欧州グリーンディール」では、脱炭素社会への経済構造の転換によって、影響を受ける産業や雇用に十分な支援を行うことを約束しています。日本は、1950年代以降の石炭から石油へのエネルギー転換により、石炭産業からの離職者は20万人を超えました。こうした経験も踏まえ、化石燃料等に関わる産業の縮小に伴う雇用への影響やコミュニティの衰退に対する支援など、移行期の負のインパクトを最小化し、公正な移行を図るため、必要な対策を講じることが極めて重要です。公正な移行に対する小泉大臣の所見を伺います。

カーボンプライシングは、CO2を中心とした温暖化ガスの排出に、価格を付け排出削減を目指す政策です。主に、炭素税、排出量取引、炭素国境調整措置があります。世界的には、カーボンプライシングの導入は進みつつありますが、日本では、本格導入には至っていません。炭素税などを財源にして、次世代技術を普及させる取り組みが必要との意見がある一方、経済界からは、研究開発に一層の投資が必要となる中、炭素税等の負担が増えることは、技術開発等の阻害要因になるとの意見もあります。カーボンプライシング導入に関して、小泉大臣、梶山大臣の所見を伺います。

企業は、脱炭素が進む中で、自社のCO2排出量の削減だけではなく、サプライチェーン全体の排出量を管理し、削減することを、取引先や金融機関、投資家から求められています。また、最近では、グローバル企業から、取引先企業に100%再エネ利用を求めるケースもあり、対応できなければ、技術や商品が優れていても、ビジネスチャンスを失ってしまう可能性もあります。現在約8割が火力発電となっている発電部門の脱炭素化は、日本企業の国内生産を維持していくためには、大前提、必要不可欠な対応です。こうした中で、政府は、中小企業をはじめとする企業の脱炭素経営の促進を、ESG金融なども含め、幅広く支援していくべきと考えますが、小泉大臣の所見を伺います。

産業革命以降、世界は、大量生産、大量消費、大量廃棄物ありきを前提とした、直線型経済で物的な豊かさを求めてきました。しかし、持続可能な社会にしていくためには、一度採取した資源を、「繰り返し使い、作り続ける」、「廃棄物を生じさせない」、「捨てられていたものを、アップサイクルし、再利用する」、循環型経済に転換していくことが必要です。地球を救うためには、今までの豊かさや成長を求める社会から、幸福や満足度を高める社会へと、私たちの価値観やライフスタイルを大きく変えていかなければなりません。循環型経済への移行に向けて、どのように取り組んでいくのか、小泉大臣の所見を伺います。

軽自動車と乗用車は、2035年までに国内の新車販売を全て電動車にする方針です。自動車のカーボンニュートラル実現に向けては、電動車だけではなく、CO2と水素で作る合成燃料e-fuelや水素で動かすエンジン等の内燃機関もカーボンニュートラルを実現する選択肢の一つであり、政府として開発を支援すべきと考えますが、梶山大臣の所見を伺います。また、トラック、バスなどの商用車、二輪車の今後の電動化についても、お答え下さい。

農林水産業も地球温暖化に深く関わります。温暖化は、干ばつ等の要因となり、農作物の不作が、食料不足を引き起こし、日本の食の安全保障に直結します。また、食料の輸入は、環境面で負荷がかかります。令和元年度の日本の食料自給率は38%、世界有数の食料輸入国であり、食料の「輸入量」×輸送「距離」を計算したフードマイレージは、約9000億トン・kmで、米国や韓国の約3倍、世界で際立った数字です。また、世界で飢餓に苦しむ人が約6.9億人いる中で、日本の食品ロスは、平成30年度600万トンに上り、これは、国民全員が、毎日茶わん一杯分のごはんを捨てている量です。世界の食糧援助量 年間約420万トンの約1.4倍に相当します。食の安全保障や温暖化対策の観点から、食料自給率改善や食品ロス削減等に、従来の延長線ではなく、抜本的な対策を行うべきと考えますが、野上大臣の所見を伺います。

改正法には、条文の先頭に「国民」を位置づけ、国民の理解や協力の重要性が示されています。欧州の多くの国では、抽選で選ばれた国民が、数週間から数ヶ月かけて気候変動対策について議論する「気候市民会議」が行われています。日本においても、政策形成過程への市民参画を積極的に行うべきと考えますが、小泉大臣の見解を伺います。また、幼い頃から、なぜ気候変動問題が大切なのか、温暖化防止のためにどのような取り組みが必要となるのか、自ら考える基礎となる教育が重要です。学校教育に「環境」という科目を作ることを提案したいと思いますが、萩生田大臣の見解を伺います。

最後になりますが、2015年国連で採択されたSDGsの「2030年アジェンダ」には、「私たちが地球を救う最後の世代になるかもしれない」と記されています。この危機感を世界が共有し、将来の世代に素晴らしい地球を残していくことが、今を生きる私たちの使命であることを申し上げ、質問を終わります。