党本部
2023年11月22日

国民民主党 代表定例会見(2023年11月21日)

【冒頭発言概要】

旧統一教会の財産保全に関する法案について、この間党内でも議論を積み重ねてきました。被害者を救済することと、憲法が保障する信教の自由や財産権との調整の中で、具体的にどう実効的な法体系が作れるのか議論してきました。我が党としては、現在の民事保全法をより使いやすくする、またその前提として宗教法人側に積極的な情報公開を求めるということを大きな柱として議論してきました。
先般与党で一定の考え方がまとまったということで、先週わが党に示され、政調会長・国対委員長中心に検討を進めた結果、我が党から大きく二つの修正を申入れました。それが受け入れられたということで、本日共同提出することになりました。
法令に違反して解散命令の請求手続きに入った宗教法人が不動産の処分をするときは所轄庁に通知し、所轄庁の文化庁がこれを公告するという規定を宗教法人法23条の特例として作ります。通知をせずに行った不動産の処分は無効となるという規定が同24条にありますが、この不動産の対象が現行の宗教法人法上、境内の建物や土地に限定されています。統一教会は幅広い不動産を持っているので、宗教用に資する不動産以外についても、被害者救済の観点から通知せずに処分した場合には無効とする。この無効の対象となる不動産の限定なくすことを我が党から申し入れ、これを受け入れてもらったのが一点。
そして資力のない若い信者2世などもいるので、あまりお金のない方でも利用できるように、法テラスの費用の返済を免除することもできるようにし、利用しやすくすることを盛り込んでいます。東日本大震災のときに時限立法で法テラスを使いやすくするという法案を出しました。その時は3年間の時限立法にしていましたが、統一教会の被害者救済は長引く可能性がありますので、これは3年に限定することなく恒久化すべきだという2つ目の我々の要請も受け入れてもらったので、私たちの考え方も入ったということで賛成し共同提出することになりました。
解散請求をした段階でどこまで財産の処分を規制できるかというのは、憲法上のなかなかクリアできない問題がある中で、財産の処分が行われたり財産を隠匿したりすることがあれば、被害者・債権者として確定している方はそれに気づいて法的な措置を打ちやすくすることになります。何より法テラスを利用しやすくすることによって、なかなか司法手続きに入れない方も、家族や本人にそういうことがあった場合、教団に対して寄附の返還請求などを起こしやすくすることも含めてセットで対応できます。被害者救済としての対応が前に進むということで、我々としても早期の成立を求めていきます。