2024年05月13日

【参本会議】竹詰仁議員がセキュリティ・クリアランス法案について賛成討論

竹詰仁総務局長(参議院議員/全国比例)は10日、国民民主党を代表し、参議院本会議で議題となったセキュリティ・クリアランス法案に対する賛成討論を行った。討論の全文は以下のとおり。

国民民主党・新緑風会      竹詰仁

 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。ただいま議題となりました両法案について、賛成の立場で討論を行います。

令和 4 年に行われた経済安全保障推進法の審議当時から我が会派は、経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度の導入をいち早く主張してまいりました。
政府が提出した重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案は、セキュリティ・クリアランス制度を確立しようとするものであり、本法案の必要性について賛同いたします。
この法案は重要経済安保情報の「保護」及び「活用」です。
まず「保護」については、国際情勢の複雑化、社会経済構造の変化等に伴い、経済活動に関して行われる国家及び国民の安全を害する行為を未然に防止する重要性が増大している中で、我が国の経済安全保障の確保のため秘匿にすべき重要情報を適確に保護する体制を確立しようとするものであり、この考えに賛同いたします。
もう一方の「活用」については、重要経済安保情報を指定し、また重要経済安保情報の取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図るとともに、民間事業者へその情報を提供することで、事業者の国際的共同開発及びビジネスの機会の確保、拡充にもつながるものと理解いたします。
民間企業からは、我が国にセキュリティ・クリアランス制度がないがために、海外企業から協力依頼があっても機微に触れるということで十分に情報が得られなかった、あるいは、宇宙分野に関して海外政府からの入札の際にセキュリティ・クリアランスを保有していることが参加要件だった、などの声が挙げられており、こうした声に応え得る制度と認識します。
申すまでもなく我が国は石油・石炭・LNG などの化石燃料・天然資源には恵まれず、我が国の経済の発展は製造技術、加工技術、科学技術、生化学など、技術と知識がけん引してまいりました。
技術と知識を得るためにも情報が重要ですし、技術と知識を活かすためにも情報が必要です。
わが国の経済、そして安全保障にとって、重要情報の「保護」と「活用」はまさに生命線と言えます。
従って、本法律案の趣旨および各条文に示された内容には賛成いたします。
しかし、本法律案には書かれていない、はっきりとは分からないことが法案審議を通じてかなり多いことも判明しました。そして法律成立後に検討し政令で定めるとか、運用基準に明記するといった政府答弁が多く、今後の政府内での検討に委ねられるため国会で詳細な議論をすることができません。ついては、以下課題を提起し、その検討を求めたいと思います。

本法を諸外国に通用する制度としていくためには、その運用面も含め、諸外国からその国が提供する秘密情報について、日本においてその国と実質的に同等の保護が与えられていると認められなければ、本法は生かされないため、諸外国に対してしっかりと本法の内容を説明していただきたい。
併せて、我が国からみて相手国のセキュリティ・クリアランス制度が信頼でき得る制度であるかの見極めができなければ、我が国として情報共有や共同研究、あるいは有益なビジネスはできないため、相手国の制度もしっかりと見極めて判断することを求めます。
次に、衆議院修正案は、国会への定期的な報告を義務付け、国会の監視機能を確保しようとするものであり、報告の期間の定めを含め、定期報告をしっかりと制度化するよう求めます。次に、運用基準などを検討する有識者会議の委員の選定については、専門的な知見や経験を持つ学識者、有識者を選定することはもとより、民間からのメンバー選定においては使用者側に偏重することなく、労働者の立場から必ず参画できるよう求めます。加えて、内閣府の再エネ・タスクフォースに疑念が持たれた事例のように特定の団体や特定の主張を持つ集団に偏ることなく、バランスのとれた人選を求めます。
次に、内閣委員会審議を通じて、重要経済安保情報に指定される情報が過度に指定されると、民間企業の自由な活動が阻害される、また研究者や学術界の自由な研究が制限されるといった懸念が払しょくされなかったことから、指定情報の範囲については民間企業や研究機関とも継続的に協議できる仕組みを検討していただきたいと思います。
次に適性評価を受けるか否かは、あくまでも本人の同意が前提であり、適 合事業者が従業者に同意を得る際に本人が理解・納得して判断できるよう、事業者から本人への説明方法についても政府として指針を示すなどのフォローを求めます。
事業者に適性評価の目的外利用や不利益な取り扱いを禁止し、またプライバシーを保護することは当然のこととして、知らずのうちのイージーミスが生じないよう、分かりやすい禁止事例を示すことも求めます。
労働者一人ひとりは弱い立場にあるため、適合事業者に対しては、適性評価についての労使協定や労働協約の締結を求める、あるいは少なくとも労使合意を前提とするなど、労働者の立場に立った運用を事業者に求める必要があると思います。また、労働組合がない企業、従業者が少ない中小企業が適合事業者になる場合についても、労働者の意思が尊重され、労働者の権利が守られるよう政府の対応を求めたいと思います。

我が党が累次にわたって指摘した、いわゆるハニートラップ対策について、ハニートラップは実際にあるリスクとして捉える必要があり、性的関係を 利用して対象者から情報、利益、弱みを引き出すスパイ活動が疑われる場合は、調査の対象とする必要があることをあらためて指摘いたします。
次に、政務三役についても適正評価を実施すべきであると我が党が何度も 主張してきました。岸田政権発足以降、理由は様々ですが、問題の発覚や疑義が生じたことで政務三役が相当な人数代わったことは事実です。直近では、宮澤博行氏が衆議院議員を辞任しましたが、宮澤氏は防衛副大臣に任命されていました。防衛省は最も多くの特定秘密を扱う省であり、その省の副大臣が報道によれば女性問題で辞任したとのことです。岸田総理は、「国務大臣、副大臣、政務官などについては、内閣総理大臣がその任命に当たり必要とされる考慮を行う」との答弁をされていますが、その考慮が十分ではなかったという結果が出ていますので、政務三役に対する適性評価を是非検討していただくことを求めます。

経済安全保障推進法の基幹インフラ制度について、「我が国の外部にある主体から強い影響を受けているかどうか」が抽象的でわかりづらいことを指摘いたします。
政府は「具体的な基準を公表すると、これを悪用した届出を容易にするおそれもあり、特定妨害行為を行おうとする主体を利することにもなりかねないので、詳細な説明は控える」との答弁です。
インフラ事業は多額の設備投資を必要とする事業ですので、調達や契約をしたあとで禁止・中止とならないよう、事業者との前広かつ丁寧なコミュニケーションを求めます。

国民民主党は4 月24 日、議員立法「サイバー安全保障法案」を参議院に提出しました。
法案の概要は、近年、国内外において国家の関与が疑われるサイバー攻撃の脅威が増大しているなか、サイバー安全保障態勢の整備に関し、基本理念・国の責務・施策の基本事項を定め、サイバー安全保障態勢の整備を総合的かつ集中的に推進すべきという法案です。
政府は「能動的サイバー防御」の実現に向けた法案を秋の臨時国会での提出を目指していると聞きますが、一時も早くサイバー安全保障態勢の整備することを求めて、討論を終わります。

以上