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- 2024年06月10日
政治資金規正法改正案の衆院通過に当たって(談話)
令和6年6月6日
政治資金規正法改正案の衆院通過に当たって(談話)
国民民主党 政治改革・行政改革推進本部
本部長 古川 元久
本日の衆議院本会議にて、自由民主党提出の政治資金規正法が、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会の賛成をもって可決された。
そもそも今回の政治資金規正法改正の議論は、自民党派閥の裏金問題に端を発するものであるが、この間、問題の真相は何も明らかにされておらず、これでは再発防止や法整備として十分な内容かどうかの判断すらつかず、誠に遺憾である。
修正された中身について、我が党の訴えている政党交付金の交付停止等の制度の創設は入ったものの、パーティー券の外国人購入規制は検討、その他も検討のオンパレード、信頼回復からは程遠い内容と言わざるを得ず、実際にやるのかどうかも担保されない規定が並び、多くの事項が先送りされている。
特に政策活動費はあちらこちらに穴があり、「ザル法」のままと言わざるを得ない。
まず領収証の公開までになぜ10年もかけるのか、最後まで合理的な説明がなされていない。本来、政策活動費は使い残しがあった場合雑所得として課税対象になるが、10年後に発覚しても、所得税の公訴時効が5年のため逃げ切りが可能であるし、10年後に領収証がなかったとしても、政治資金規正法が時効5年のため何の罪にも問われない。岸田総理も罰則の要否については今後検討するというだけと答弁しており、罰せられるかもわからないルールを作っても全く意味がない。
さらに、改正案では、領収証の提出・保存義務が明記されていない。10年後公開の制度を検討することが附則で定められただけで、その制度がいつから始まるのか、時期も全く決まっていない。せめて法案に、現在使われている政策活動費の領収証等の提出・保存義務をかけるべきであり、それがなければブラックボックスがそのまま続くこととなる。
領収証の全面公開も担保されていない。人件費や事務所費等が公開対象から除外されているため、これらの項目として政党から支出を受ければ、金額すら公開しなくていい仕組みになっており、抜け穴が空いている。
そもそも、「政治活動」に関連した支出のみが公開対象になっているため、「選挙活動」に関連してなされた支出は公開対象から外れる。政治資金規正法では政治活動に選挙運動を含む場合はその旨が明記されているが、修正案にはない。明記しない場合は、選挙運動を含まない、つまり公開対象外との解釈が可能となってしまうため、しっかりと明記すべきである。政策活動費の多くが不透明な形で「選挙」に使われているとの疑惑が最大の課題であるのに、このままでは、抜け穴が合法化されることになりかねない。
国民民主党は、複雑な仕組みにすればするほど抜け穴はできるため、政策活動費はシンプルに「廃止」としており、実際、昨年から支出をやめている。
「非課税かつ非公開の資金はなくす」、これが我が党の基本姿勢であり、非課税の恩恵を受けたいなら、使途を「完全公開」すべきである。
また、政治家が自身を縛るルールを作ることでどうしても抜け道ができてしまうことからすれば、お手盛りとならないように公正な第三者の目が必要である。第三者機関の創設も附則に盛り込まれたが、権限などについて何ら具体的な中身はない。我々が提案するように、国会の自律権に基づき、国会の中に、制度の提案、監視監督、そして勧告まで行えるような第三者機関の姿を、しっかりと国民に示すべきである。
また、自らが代表を務める政党選挙区支部への寄付金控除の適用除外について、今まさに問題になっているにもかかわらず、「検討」でお茶を濁した。特別控除の対象とならないことを明確にすべきである。
我々国民民主党は、参議院での審議に向けて単独で法案の提出を行った。
国民の不断の監視に耐えうる政治資金規正の制度実現について徹底的な議論を行い、次の世代にまで貫くことができる「正直で偏らない現実的な政治」の実現に引き続き、全力で取り組み続ける。